アルクイン300は、極めて高い強度を維持したまま、軽さ・切削性・加工性を追求した7000系(Al-Cu-Zn-Mg)アルミ合金です。航空機材の生産技術を生かし開発され、現在では、高強度アルミ合金製金型・治工具材として広く利用されています。また、7000系合金の弱点である応力腐食割れ性を改善した特性を持つ材料でもあります。
弊社では、アルクイン300板(6t~350t)、丸棒(φ8.4~φ300)を豊富に在庫しております。ご要望に合わせて切断・加工し、ご提供いたします。
アルミ合金の中で最高の強度
機械構造用炭素鋼S55C相当の強度を有する超々ジュラルミンであり、アルミ合金の中でも最高の強度を誇ります。また、アルマイトやメッキといった表面処理によって耐摩耗性をさらに向上させることができます。
鉄と比較して軽い
鋼材と比較すると3分の1の軽さであるため、取り扱いが容易であり、大型の金型や構造材への適用が可能です。また、装置や機械部品に適用することで高速化が図られ、生産性の向上に繋がります。
優れた加工性と熱伝導性
7000系アルミ合金が持つ加工性によって、鋼材と比較し、切削加工時間が約3~50倍の加工スピードになります。また、熱伝導性は鋼材の2~3倍であり、金型用途においてショットサイクルの短縮が可能で、生産性の向上に繋がります。
ただし、アルミ合金の性質上、加熱温度が150℃を超えた場合に強度が著しく低下することから、100℃を超える環境下での使用は注意が必要になります。加工時間の大幅な短縮と優れた熱伝導性によって、総合的に製品価格のコストダウンが可能です。
応力腐食割れ性を改善
7000系アルミ合金は応力腐食割れが発生しやすい素材です。応力腐食割れとは、金属材料に発生する経年損傷の一種で、応力が加わった状態で腐食環境に置いた際、亀裂・破断に至る現象です。アルクイン300では、A7075と比較し、熱処理条件による金属組織の調整とCu、Siの添加量抑制およびCrなどの遷移元素の添加により、応力腐食割れ性と耐食性を改善しています。