2024.05.30
今回のコラムでは、アルミニウムの歴史についてご紹介いたします。
アルミニウムは、化学記号Alで表される元素で、地球上において酸素とケイ素に次いで3番目に多い元素です。
これは、「クラーク数」と呼ばれる地球上の地表付近に存在する元素の割合を重量パーセントで示すものを基に算出されています。
これによると、地球上の元素の割合は下記のとおりとされています。
・酸素 49.5%
・ケイ素 25.8%
・アルミニウム 7.56%
・鉄 4.70%
アルミニウムの歴史をさかのぼると、その発見と利用の歴史は比較的新しいものです。
アルミニウムの歴史において、特筆すべき点を下記にてご紹介いたします。
1.発見
アルミニウムは、1825年にデンマークの物理学者であるハンス・クリスティアン・エルステッドによって発見されました。塩化アルミニウムから金属アルミニウムを抽出することに成功し、その存在を確認しました。
2.初期の製法
アルミニウムは非常に豊富な元素であるにもかかわらず、その製造方法が非常に困難で高価であったため、19世紀初頭まではあまり一般的には利用されていませんでした。
3.工業生産方の開発
1886年、フランスのポール・エル―とアメリカのチャールズ・マーティン・ホールによって、アルミニウムの大量生産が可能になるホール・エルー法が開発されました。この方法は、電気分解を使用し、アルミニウムを効率的に製造することが出来るものでした。
4.普及
ホール・エル―法により、アルミニウムの製造コストが大幅に低下し、急速に工業製品や日用品に使用されるようになりました。これにより、建築、航空、自動車、電子機器などの様々な産業で利用されるようになりました。
5.発展と現代まで
アルミニウムの利用は20世紀に入っても拡大し続け、新たな製造技術や開発が進められました。現代では、アルミニウムは軽量で耐食性があり、リサイクル性にも富んでいるため、様々な分野で重要な役割を果たしています。
このようにアルミニウムの歴史は、その発見から現代までの技術革新や利用の拡大を通じて、人類の産業や生活に大きな影響を与えてきました。