2024.10.31
A5052について
まずは、A5052とA5083の各材質の特徴についてご紹介いたします。
アルミ展伸材用合金は、添加されている元素によって材質が異なり、主に1000番台から7000番台まで分類されます。
その中で、A5052とA5083は主成分としてアルミニウムにマグネシウムが添加されており、アルミ5000系非熱処理型合金に分類されます。
A5052は、多種多様なアルミ合金の中で、程々の強度を持ちながらも疲労強度が優れる利点から、一般材として、広い分野に使用されている最もポピュラーなアルミの素材となります。
理由としては、特徴である成形性、耐食性、溶接性が良く、各種加工に非常に適しているからです。
また、強度と切削性のバランスに優れ、アルマイト処理も良好であり、マグネシウムが添加されているため熱伝導率がよく、切削性が非常に良好かつ中程度の強度もあり、切削性に優れます。
主な用途:各種治工具、工作機械部品、精密機械部品、一般機械部品、自動車部品関連、半導体製造装置、食品機械、ロボット、建築など
A5083について
A5083は、A5052と比較し添加物質のMg(マグネシウム)とMn(マンガン)を多く含んでおり、非熱処理合金非熱処理合金ながらも優れた強度を誇る溶接構造用合金です。
他にも溶接性や耐海水性が良好であるため。溶接構造材として多岐に使用されています。
主な用途:船舶、車輌、化学プラント、圧力容器
A5052とA5083の大きな違いは化学成分の含有量です。
A5052 Mg(マグネシウム)2.2~2.8%
Si (シリコン) 0.25%
Mn(マンガン) 0.10%
A5083 Mg(マグネシウム)4.0~4.9%
Si (シリコン) 0.40%
Mn(マンガン) 1.0%
A5052は比較的加工性が高く、溶接や曲げ加工しやすい材質です。
一方、A5083はA5052と比較するとマグネシウムやシリコン、マンガンの含有量が多いため強度が高く、耐海水性に優れています。
用途でみると、A5052は軽量かつ成形しやすいため、車両ボディパネルなどに使用されます。
A5083はA5052よりも強度が高くかつ耐海水性に優れている点から、船舶の船体や海洋プラントの構造材に使用されます。
コスト面でみると、A5052よりA5083の方が少し割高です。
A5052とA5083の取り扱い規格は下記よりご確認ください。
下記の取り扱い規格に無いものも対応可能な場合がございますので、お気軽にご相談ください。
《A5052板 取扱い品》
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《A5083板 取扱い品》